落葉の栞

埋もれてしまった良書を貪る日々

僕は君たちに武器を配りたい

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私はいつも将来に漠然とした不安を抱えて生きているのですが、最近どんな本を読んでもこの時代を生き抜く共通したキーワードがあるということに気づき始めました。恐らく今は「ゲリラ戦」「ニッチ」「ロングテール」が求められる時代になってきているのではないでしょうか。

今回紹介する瀧本哲史さんの本もまた、ゲリラ戦を生きぬけと謳っています。

自分の時間と才能を何につぎ込めばリターンとしてマネタイズできるのか。誰も正解は教えてくれないですし、自分の頭で考えないと食い物にされてしまいます。

ただブームに流されずニッチ市場に身を投じるのはとても勇気が要りますし、これからこの市場は伸びていくだろうと判断するには私はまだまだ勉強不足だなと実感するばかりです。

レバレッジメモ

コモディティとは

コモディティとは「スペックが明確に数字や言葉で定義できるもの」
資本主義においてコモディティは買い叩かれる

私たちは誰もがかけがえのない存在になりたいと考えると思いますが、どうしたらそのような存在になれるのかは誰も教えてくれません。そこでブームの仕掛け人は「資格を取れば一生安泰だよ」というストーリーを語り出します。気づけば資格を持っていること自体が特別なことではなくなってしまい、替えの効く存在となってしまうと言います。何とも皮肉な話ですよね。


お金と資本主義の概念

・お金は市場に売りに出されるどんなものとも交換できる。
・時間が減ってもお金は腐ったりしないし、価値が目減りすることもない。
・資本主義社会の参加者は基本的に全員がお金をたくさん得ること=富を目指す。
・資本主義は人間の欲望に合致した社会を進歩させるシステムが優れている
・その反動として商品の差が無くなり、値段が限界まで低下するコモディティ化現象が起きている。

この世界で生きている以上、まずは資本主義のルールを知り尽くしたい。前半のお金の概念をもっと詳しく知りたい方は『エンデの遺言』を読んでみるのがオススメです。ちなみに、賃金が下がった本当の理由は派遣制度の導入ではなく技術革新によるものらしいですよ。


これからどんな人が生き残るのか

1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
2.自分の専門性を高めて高いスキルによって仕事をする人
(エキスパート)
3.商品に付加価値をつけて市場に合わせて売ることができる人
(マーケター)
4.全く新しい仕組みをイノベーションできる人
(イノベーター)
5.自分が起業家となり、みんなをマネジメントして行動する人
(リーダー)
6.投資家として市場に参加している人(インベスター)

実はこれには続きがあるので、気になる方は本書を読んでみることをオススメします。


マーケターとは

・マーケターとは差異を考えられる人間のこと
(ストーリーを生み出し最も適切な市場を選んで商品を売る戦略)
・商品で差をつけることは難しい
 顧客が共感できるストーリーを作ること
・自分自身も「商品」
 売る「場所」を変えることで全く結果が違ってくる
・分からない差異は、差異ではない

ほとんどの産業のコモディティ化が進んでいる中で生き抜くには「差異」が必要で、その差異を扱う職業がマーケターなのだと仰っています。

技術力の違いを感じるユーザーはほぼ存在しなくて、それよりも色がたくさん選べるといったハッキリと目に見える差異の方が大切だと。


投資家の思考法

・ブームとなってから投資すると死ぬ
・誰も投資など考えない時に投資して、まだ儲かると普通の人が思い始めるタイミングで身を引く
・ローリスクより、リスクが取れる範囲のハイリスク・ハイリターンの選択肢をたくさん選ぶ
・投資は長期的な視点で富を生み出し続けるか、人が信頼できるかの2点で判断する



企業を見極めるポイントと働き方について

・企業を見極めるポイントは「お客さんを大切にしているか。」
 顧客を大事にする会社は従業員も大切にする。
・自分の働く業界についてヒト・モノ・カネの流れを徹底的に研究する。

手前味噌になりますが、これに関しては私の選択は本当に正しかったと思います。
業界の表と裏を知り尽くすことを当面の目標としていきたいです。