戦略がすべて
『僕は君たちに武器を配りたい』というベストセラー本の著者で、最近亡くなった瀧本哲史さんの書籍です。
この本は時事評論の形をとりつつも戦略的な思考を追体験できる形になっています。
戦略を考えるというのは今までの競争を全く違う視点で評価し、強みと弱みを分析して他の人とは全く違う努力の仕方をすること。ただメソッドや理論だけ学んでも頭でっかちになるため、実践の場に出て仮説を検証するプロセスを何度も踏むことが大切。
誰もが瀧本氏のようになれる訳ではないと思いますが、頭の中が覗けるのでオススメの一冊です。
レバレッジメモ
人材ビジネスの3つの壁
1.成功の不確実性
2.稼働率の限界
3.交渉主導権の逆転
この3つのリスクを払拭したのがAKB48。
複数のタレントを包括するシステムを作り、そのプラットフォームごとまとめて売ろうという仕組み。実際に、AKB48のメンバーはそれぞれ別の大手芸能プロダクションに所属しAKB48の時だけメンバーとして活動している。
→個人的にはAKBよりバーチャルアイドルが最強だと思っています。人材というのかはさておき、3つのリスクがない上に不祥事も起こさないですし結婚もしないですからね...(笑)
RPGは資本主義のルールを教えてくれる
不確実な状況において効率よく解を見つけ、組織の中で他のメンバーと差別化して組織目標に貢献するゲーム。ただ闇雲にレベル上げをしているだけでは資本主義では勝てない。
以前、ゲーム攻略が出来ると仕事にどのように生かせるのでしょうか?とあるマネージャーに聞いた時に瀧本氏と全く同じようなことを言っていたので純粋に凄いなと思いました。
・特にポケモンや麻雀、競馬などの不完全情報ゲームはマーケティングに活きる
・ルールを知り尽くすことの大切さを知る
・正攻法と裏をかく方法を織り交ぜながら試していく力
・不確実性に対して、仮説を持って粘り強く試行錯誤する力
・下振れを引いたときにうろたえない力
・ポケモンや麻雀だと、トレンドを読みメタゲームを仕掛ける。市場を読む力に近い
人とコンピュータを融合させる
コンピュータは人間が差した過去の将棋の記録をデータ化し、それを解析して判断している。つまり、人間の判断とコンピュータを組み合わせたものが一番強い判断方法である。
→ということは広告も同様、人間と自動化を組み合わせたものが最強なのではないか?
知恵を輸出するビジネス
オーストラリアで安く土地を買い、農地として使いやすく改良した後で高値で売るという「作物を作らない農家」が成功している。
裏をとるのではなく、逆をとる
自分の仮説を裏付ける事実を探しそれが検証できれば正しいというものだが、都合のいい事実だけを認知して間違った判断をとってしまうことがある。自分の仮説と逆の考え方や事実を探し、それがどの程度信頼できるか反証的な視点で確認していくのが良い。
選挙をマーケティングとして捉える
お菓子の成分を細かく見る人はほとんどいないように、実際の選挙でも細々とした政策はあまり効果がない。それよりも漠然としたイメージが選挙の勝敗を分ける。
「若くて地元密着の候補が政治を変える」
→地元をマラソンや自転車で駆け巡りながら選挙戦を行なった結果、当選した。
ワンフレーズ選挙でイメージや感情的なストーリーを訴求する。
→「郵政民営化」はターゲット層が明確であった。一方で「国民の生活が第一。」「日本を、取り戻す。」というキャッチコピーは誰をターゲット層にしているか不明瞭だった。