落葉の栞

埋もれてしまった良書を貪る日々

なぜ「戦略」で差がつくのか

達成したい「目的」がありその達成に対して「資源」の限界がある限り、戦略的な思考は役に立つ。

戦略とは「目的達成のための資源利用の方針」
達成するべき目的があり、かつ資源が限られているから。本質的には目的と資源の2つの要素に集約される。

正しい戦略は目的の達成確率を上げる。なぜなら、目的の達成に対する資源の投資効果率が上がるから。うまくいかなくても正しい戦略は資源を温存する。戦略が明確であると、経験が学習につながるので次回の達成確率は上がっていく。

判断に迷ったら戦略に立ち返ることで、目的達成のために行くべき道が見えてくる。
正しい判断とは目的の達成のために有限の資源を最適に投下すること。
何を達成したいのか、現状使えるものは何で、どういう状況で効果が最大化されるか理解する。

いい目的(SMAC,SMART)の活用とは
・数値化する
・測定方法、単位を明らかにする
・実現可能性がある
・方向性や整合性の認識がある
・締め切りを明らかにする
・焦点を絞る

特に私の目に留まったのは焦点を絞るということ。

あれもこれも達成したいというのではなく可能な限り、一点。多くてもふたつ、3つに目的を絞って設定するといい。それ以上設定するのは効率的ではない。経験的には、3つも目的があると、資源の量にかかわらずその達成はすでに困難になってくる

自分のビジネスが顧客に何を提供しているのか
ソニーが作っているのは小さなカセットテープです。でも顧客が買っているのは音楽を外で聞くという習慣です。」

大成功が失敗のもと
ある戦略が成功した場合、その戦略にいたずらに固執することがある。いかに強力に機能した戦略であっても目的が変化し資源が流動的である限り永続的に効果を上げ続ける可能性は低い。

最悪の事態を回避する思考トレーニン
・最悪の事態とは、目的が全く達成できず資源を使い果たしてしまった状態のこと。
・過去の事実として失敗を捉えてみる。この問いは過去形で発することがポイント。
ex.「今日は計画実行から半年後である。誠に残念ながら我々の計画は失敗した。なぜ失敗したのか?」

競合の読み方
競合の目的と資源を理解することができれば、競合の戦略は予測可能になる。
・なぜ、そんなことをするのか(目的が分かる)
・なぜ、そんなことができるのか(資源が分かる)

解決すべき問題がうまく定義づけられた時点で、問題の半分は解けたようなものだ。(A problem well defined is half solved.)


全てを理解するのがかなり難しかった本。また時間をおいて読み直したい。