イシューから始めよ
人生は何かを成し遂げるにはあまりにも短い
と読者に強烈なインパクトを与えるこの本。
書店のビジネスコーナーへ足繁く通う人は必ず目にしたことがあるかと思います。
この本の著者である安宅さんはイシューを「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題または根本にかかわる白黒がはっきりしていない問題 」と定義しています。聞き慣れない言葉ですが、「それは今まさに取り組むべき問題なのか?」と言うのが私なりの解釈です。
本著では、表面的な問いをより深く本質的な仮説に磨き込むためのアプローチから、大元の仮説を答えを出せるサイズまで分解しストーリーを立ててプレゼンを作る段階までのプロセスがまとめられています。
かなり抽象的で難解な言葉が用いられているので今でも完全には理解できていませんが、この本の内容を自分のやっていることに落とし込めたら成長の証と思って今後も定期的に読み直したいと思いました^^
レバレッジメモ
「悩むこと」と「考えること」の違い
「答えが出ない」という前提のもとに、考えるフリをすること
「答えが出る」という前提のもとに、建設的に答えを組み立てること
「生産性」の定義
どれだけのインプット(投下した労力・時間)でどれだけのアウトプット(成果)が生み出せたか
バリューのある仕事とは?
・自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
・そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い
イシューを見極める(「So What?」の繰り返し)
①地球温暖化は間違い
→何を「間違い」としているか曖昧
②地球温暖化は世界一律に起こっているとはいえない
→地域の気候に多少のムラがあるのは当然
③地球温暖化は北半球の一部だけで起こっている現象である
→地域が限定されたので白黒がつけやすくなる
④地球温暖化の根拠とされるデータは、北米やヨーロッパのものが中心であり、地点に恣意的な偏りがある
→地域がさらに限定されたため、検証のポイントが明確になる
⑤地球温暖化を主張する人たちのデータは、北米やヨーロッパの地点の偏りに加え、データの取得方法もしくは処理の仕方に公正さを欠いている
→「データ」に加え、その「取得方法・処理の仕方」に問題があるという仮説があるため、答えを出すべきポイントがより明確なイシューとなる。
イシューを分解する(ex.事業コンセプトの分解)
事業コンセプトの考え方
1.狙うべき市場ニーズ(どのような市場の固まり・ニーズを狙うのか)
・どのようなセグメントに分かれ、どのような動きがあるのか
・時代的に留意するべきことはあるか
・具体的にどの市場ニーズを狙うべきか
2.事業モデル(どのような事業の仕組みで価値提供を行い、事業を継続的に成り立たせるか)
・バリューチェーン状の立ち位置はどこに置くか
・どこで顧客を引き寄せるか
・どこで儲けるか
新規事業コンセプトの有望なアイデアを検討するというプロジェクトの場合、事業コンセプト自体が大きな概念なので、このまま仮説を出して本質的な問いを見極めようとしても曖昧な物しか立てられない。そこで事業コンセプトの枠組みを考える。
プレゼンをするにあたっての心構え
ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ*1
*1:どんな話をする際も受け手は専門知識を持っていないが、イシューの共有から始め最終的な結論とその意味するところを伝える。受け手を「的確な伝え方」をすれば必ず理解してくれる存在として信頼するということ。